女子十二楽坊の志向性

女子十二楽坊について、色々と語られていますね。
では、まず、総括的な意見です。

このグループは、イージーリスニング/ムード音楽系に志向性を変えつつありますが、前のような刺激のある音楽はやらなくなりました。
それについての、賛否両論を眼にすることもあるのですが、私の眼から見ると、非常に座りのいい方向性のように感じます。
本来、このグループはカバーものを得意として、アルバムごとに音楽性を高めていく感性のあるものではないでしょうし、
グループ全体に鋭角的な音楽志向性が感じられないところがあるじゃないですか。

今のような柔和でイージーリスニング/ムード音楽系の音楽に特化した方向性によって、物足りなさを感じるとすれば、それは、このグループの本質を理解できていなかったのではと気づく時があります。
私自身、最近になって、これに気づきました。
このグループは「音楽創造集団」ではなくて、「演奏家集団」ですから、既成の曲を、いかに忠実に中国楽器で再現するかに注目すべきです。

このグループ自身、現在の路線に、さほど、疑問は感じていないのではないでしょうか。
また、ファンの意向を集めて作られた「ベスト・アルバム」を見ても、意外に先鋭的な楽曲が選ばれていないで、このグループの顔ともいえる「自由」という曲が、収録曲の真ん中に配置されていることを見ると、さほど、こういった楽曲におもむきを置いていないことも感じます。

私は、女子十二楽坊イージーリスニング/ムード音楽路線に進むことが、このグループ本来の姿と思いますし、多少ファンの移動があっても、このグループの再成功につながると思いますね。